【サマースクール参加前に知っておきたい事とは?】2023年サマースクール、参加前にこれをチェック!

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皆さんは夏休みに開催される「サマースクール」についてご存じでしょうか。サマースクールとは、アメリカなど夏休みが長期に渡る国々で始まった、学習と体験を兼ねたプログラムのことです。サマースクールは幼児から小学生~高校生まで幅広い年齢で募集されていますが、特に小学生がサマースクールを経験することは自身の成長を促す、良いきっかけになるといわれています。今回はサマースクールについて詳しく紹介します。

1.サマースクールとは

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サマースクールとはもともと、アメリカやカナダ、ヨーロッパなど学校の夏休み期間が6週間~3カ月に及ぶ国々で始まったプログラムです。これらの国々のほとんどでは宿題もなく、子どもたちは夏休みになるとサマースクールを通じて他の参加者と交流を深めたり、よりアカデミックな学習をしたりしています。このため、これらの国々の保護者たちは夏休み直前になるとインターネットやパンフレットで情報を集め、子どもの学習状況や興味に応じたサマースクール選びに奔走します。

まだ認知度は低いものの、日本でも海外に本部を置く語学学校が国内でサマースクールを開催したり、ボーディングスクール(主に海外の富裕層が通う全寮制の学校)がサマースクール形式の短期留学を募集したりしています。子どもたちはそこで語学研修やアクティビティを通じて異国の文化を体験し、国際感覚を養うことができます。このようなサマースクールでは幼児や小学生といった英語を習いたての子どもでも、ネイティブの講師やインストラクターが学習や活動をフォローしてくれるので安心です。

通常、日本国内で募集している幼児~小学生向けのサマースクールは、学校が夏休みに入る7月~8月(ないし6月)に開催され、期間も1週間程度と短めですが、海外のサマースクールではおよそ2カ月にも及ぶ長期コースもあります。

2.サマースクールの種類

海外の語学学校やボーディングスクールで開催されるサマースクールのプログラムは、実に多種多彩です。幼児~小学生の場合、特別編成された語学研修を中心として、英語で学ぶプログラミングや自然科学の授業、風光明媚な土地で楽しむアクティビティやスポーツなど、選択によってさまざまなコースが受講できます。海外におけるサマースクールのプログラムについて紹介します。

2-1.語学+アクティビティ

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サマースクールで一般的なのが、午前中に語学研修、午後はアクティビティに出かけるタイプのプログラムです。普通、語学研修といえばスピーキングやリスニング、グラマーに重点をおいたカリキュラムと思われがちですが、幼児~小学生のクラスでは絵本の読み聞かせを行う「お話の時間」や、化学実験やロボット製作といった研究授業を通して英語を自然に身に付けさせるユニークなプログラムを設けているところが多くなっています。さらに親子同伴で留学した人のために、保護者のための英会話レッスンを提供しているサマースクールもあります。

また、アクティビティに関しても実に多彩なプログラムが用意されています。例えば地元の博物館や美術館訪問、サイクリング、カヤック、プール、ダウンタウンツアーなど、どれも現地の自然や文化に触れ、見聞を広めることができるプログラムばかりです。このようなアクティビティは通常、午後に行われますが、授業がない日は一日中アクティビティに出かけることもあります。なかには期間中、地元の観光地に2~3日旅行にでかけるカリキュラムもあり、留学と観光を兼ねたい人に最適です。英語を学ぶだけでなく、現地での生活を楽しみたい人におすすめのプログラムです。

2-2.語学中心

サマースクールのなかでも特に語学研修を重視したプログラムです。午前中はもちろん、選択科目によっては午後までしっかり語学の授業が入っているので、夏休みという短期間でも語学力をしっかり伸ばすことができます。これはシニアコースだけではなく、ジュニア、ミドルコースも同じで、英語でディスカッションを行ったり興味のある事柄について作文を行ったりとなかなか本格的です。さらに留学に備えてIELTSやC1 Advanced(ケンブリッジ英語検定のひとつ)の試験準備を行うコースもあります。

このような語学研修中心のサマースクールは、海外だけでなく日本でも開催されています。なかには小学生向けのコースであっても英語でディスカッションを行うのはもちろんのこと、自分なりの意見や考えをまとめて英語でプレゼンテーションするといった高度な授業を行っているサマースクールもあります。こうした国内で開催されているサマースクールは、海外のサマースクールに比べて格段に費用が安くすむこと、また海外だと子どもが病気やケガをしたとき何かと大変ですが、国内だとそういう心配もないことから、比較的小さい子どもを持つ保護者に好評です。

2-3.語学+授業

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サマースクールのなかには、留学先の学校で現地の学生と一緒に授業を受けられる体験プログラムもあります。このプログラムは、主に日本とは季節が逆になる南半球の国々で行われており、受講生は語学研修を受けながら文学や数学、理科、社会など学校の授業に出席します。例えば、理科の授業では身近にあるもので実験を行ったり、社会の授業では社会問題に対して自分なりの意見を述べたりして物事に対する理解を深めます。もちろん、こういった授業は全て英語で行われるので、ついていくのが大変なこともしばしばありますが、そういうときは大抵、先生がサポートしてくれます。

また、このプログラムは、将来的に海外の高校や大学に進学を考えている人にとって非常に役立ちます。アメリカをはじめイギリス、オーストラリアといった英語圏の学生たちは小学生のころからディスカッションやディベートを通じてスピーチ力を磨いていますが、自分の意見を主張することに慣れていない日本人留学生は大抵、大学のディスカッション形式の授業で発言すらできず、非常に苦労します。サマースクールの期間は短いですが、こうやって海外の学校の授業に参加することで自分が主体となって考える力を身に付けることができます。

2-4.語学+スポーツorアート

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サマースクールのなかには、語学研修のほかスポーツやアートに取り組むプログラムも用意されています。一口にスポーツといっても、サッカーや水泳、テニス、野球といったメジャーなものから乗馬やゴルフなど日本人にはあまりなじみのないスポーツまでさまざまです。特に古くから上流階級のたしなみとして親しまれてきた乗馬は人気のスポーツで、語学研修と乗馬レッスンが同程度の時間受講できるコースもあります。できたばかりの友人たちとスポーツを通じて交流を深め合うことは、お互いの相互理解や国際親善にも役立ちます。

またアートに関しても、絵画や陶芸、粘土を使った自由工作、パソコンのソフトで描くグラフィックアートやWebデザイン、簡単なゲーム・アニメ制作など子どもの興味を引きそうなカリキュラムが豊富です。熟練の講師の指導のもとに行う作品制作は、そのためのプロセスを英語で学ぶ良い機会でもあります。また、サマースクールでは演劇やダンスもアートと見なされており、クラス全体で英語劇に取り組むこともあります。このように学校の授業ではなかなか体験できない、アート作品の制作は、子どもの想像力を伸ばし、興味の幅を広げてくれます。

2-5.インドア

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インドアは、諸外国よりもむしろ日本国内で行われている、座学中心のサマーキャンプです。座学中心ということもあって、どこか観光地に宿泊するよりも語学教室に通学する方が多く、期間も3~5日間の短期集中コースが多くなっています。インドアタイプは、中学生~高校生になると、英語で授業を受けたり、プレゼンテーションを行ったりする高度なカリキュラムが組まれることもありますが、幼児~小学生の場合は、英語の読み書きだけでなく、歌やゲーム、アートなど、アクティビティのなかで英語に慣れ親しむことができるコースも用意されています。

また、幼児~小学生のコースのなかには、演劇やミュージカルを通じて英語を学ぶカリキュラムを用意しているところもあります。歌やダンスに合わせながら英語のセリフを繰り返す英語劇は、英語学習に非常に効果的で、英語で自己表現することに不慣れな子どもでも自信が持てるようになります。そのほか、自分が研究したいテーマに沿って英語で自由研究を作成するコースや、英検®3~5級の合格を目指すコースなども人気があります。ただし小学生のレベルだと英検®3級はまだまだ難しいので、保護者による過度の期待は禁物です。

3.サマースクール人気の国

サマースクールのプログラムを検討した上で、もし幼児~小学生の子どもを海外に連れていくとしたらどの国が良いのでしょうか。サマースクールが盛んな英語圏の国としては、世界のビジネスの中心地・アメリカや魅惑のワイキキビーチも近いハワイ、風光明媚な観光地が多いカナダやオーストラリアなどがあげられます。サマースクールの参加先として人気の国とその特徴を紹介します。

3-1.アメリカ

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夏休みが3カ月近くあるアメリカでは、その期間中、全国各地でさまざまなサマースクールが開催されます。アメリカのサマースクールは幼児から小学生、社会人まで年齢層が幅広いのが特徴ですが、なかには日本から親子連れで参加できるカリキュラムもあり、ロサンゼルスやサンフランシスコなど有名な観光地でスポーツやキャンプを楽しみながら英語が学べます。語学研修はもちろん、日本人になじみ深いアメリカ英語で行われるので、初めて海外のサマースクールに参加する人にもおすすめです。世界経済の中心であり流行の最先端を行くアメリカでのサマースクールは、きっと映画やドラマの1シーンのように思い出に残ることでしょう。

3-2.ハワイ

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日本人に人気のリゾート地・ハワイは、サマースクールの開催地のなかでも特に競争率が高い場所です。ハワイのサマースクールの特徴は、何と言っても美しいワイキキビーチで泳いだり、ハワイ伝統の踊り「フラ」を習ったりと、大人も子どもも楽しめるアクティビティが目白押しであることに尽きます。その上、治安が良く日本人向けのサービスが充実しているので、留学初心者にもおすすめです。ただし、貴重品の管理や夜の外出には注意が必要です。サマースクールの参加者も日本人の比率が比較的多いので、何かあればすぐに相談したり励まし合ったりできます。語学研修も観光も、どちらも楽しみたい人にピッタリのサマースクールです。

3-3.カナダ

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豊かな自然に恵まれ風光明媚なカナダは、サマースクールの参加先として静かな人気を呼んでいます。もともとカナダは夏でも気温が上がらず、湿度も低いので避暑地として人気の場所でした。カナダのサマーキャンプでは、24時間英語漬けになることで生きた英語を身に付けられるほか、週末には美しい景観で有名なバンフ国立公園や、恐竜の化石で有名なドラムヘラーに日帰り旅行へ行くなど、カナディアンライフを満喫できます(※カルガリーの場合)。また日本ほどではないですが、治安もそこそこ良いので貴重品の管理と夜間の外出さえ気を付ければ安全に過ごせます。カナダの大自然のなかで子どもにさまざまな体験をして欲しい人におすすめのサマースクールです。

3-4.オーストラリア

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「多文化主義」を掲げるオーストラリアでも、夏になるとさまざまなサマースクールが開催されます。オーストラリアは移民や留学生が多いので日本人でも肩身の狭い思いをしなくて済むほか、教育制度や環境がしっかりしていることが特徴です。サマースクールの受講生は英語をみっちり勉強しながら「コアラやカンガルーを抱っこする」などのアクティビティを存分に楽しむという生活を送ります。

ただし、オーストラリアは南半球に位置するため、7~8月はちょうど真冬であることに注意が必要です。このためオーストラリアでは、12~2月にサマースクールを、6~8月には北半球から来る留学生のために短期留学プログラムを開催しています。また、オーストラリアはオセアニアを代表する都市・シドニーやグレートバリアリーフがあるケアンズなど、都市ごとに気候や特徴が異なるので、子どものために、どの都市に留学すればいいのか見極めることが大事です。

4.サマースクールの効果

保護者が海外のサマースクールに子どもを通わせる目的は、「子どもの語学力をアップさせたい」、「国際感覚を身に付けてほしい」など実にさまざまです。そして大抵の場合、海外のサマースクールに通うことは、親にとっても子どもにとっても、期待以上の効果がもたらされます。それでは、子どもをサマースクールに通わせることで、どのような効果がもたらされるのか、サマースクールの効果について紹介します。

4-1.生きた英語が身につく

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子どもをサマースクールに通わせると、生きた英語が身に付きます。サマースクールでは、子どもは自分の意思や感情、疑問をネイティブの講師や友人に伝えるのに否が応でも英語を使わなければなりません。しかし、こうした英語漬けの環境におかれることで、子どもは現地の言葉、つまり生きた英語を身に付けます。日本の教育現場でも、2020年4月から小学校で英語が必修になったのを皮切りに、徐々にスピーキングやリスニングを導入するようになりましたが、まだまだ教科書重視です。ネイティブと会話し、生きた英語を身に付けた経験は将来、きっと役に立つでしょう。

4-2.語学への意欲が向上するきっかけを作ることができる

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子どもがサマースクールに通うことは、語学への意欲が向上するきっかけになります。ネイティブの話者しかいないサマースクールでは、残念ながら子どもが一生懸命英語で話しかけても、自分の意思をうまく伝えられないことがよくあります。しかし、つたない英語であっても、話が通じたときの喜びはひとしおです。サマースクールにおいて、話が通じなかったもどかしさと通じた喜びを同時に体験することは、子どもにとって大きな刺激になり、今後の英語への学習意欲を高めるきっかけになります。いずれにしても、この相反する感情を尊重し、子どものレベルにあった学習をさせるのが、英語習得の良い方法でしょう。

4-3.長期留学のための準備になる

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子どもがサマースクールに通うことで、長期留学の心構えや準備ができます。サマースクールには、さまざまな人種や異なる文化的背景、習慣を持つ子どもたちが集まります。こうした子どもたちと、語学研修やアクティビティ、スポーツを通じて仲良くなる経験は、英語でのコミュニケーションに慣れることに繋がり、将来、海外に留学した際にきっと役に立つでしょう。また、サマースクールの語学研修では、日本の英語教育ではほとんど行われていない、英語によるディスカッションやディベートを集中的に行います。海外の大学ではディスカッション形式の授業がほとんどだということを考えると、サマースクールは長期留学の準備をする良い機会だといえるでしょう。

時間があるうちにサマースクールに参加しよう

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サマースクールについてざっと解説しましたが、イメージできたでしょうか。夏休みでも部活動や勉強で忙しい中高生と違い、比較的時間に余裕がある小学生は、サマースクールに挑戦するまたとない機会です。これからますます重要になる語学力や国際感覚を小学生のうちから養うことは、これからの時代、必須になるでしょう。国内の場合、英語学童保育「Kids Duo」でもサマースクールを実施しているので検討してみてはどうでしょうか。

執筆者:英語で預かる学童保育Kids Duo
コラム編集部