早期英語教育|幼稚園児の英語教育は必要なのか?子どもに与える影響とは?

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日本全体の動きとして、早期からの英語学習が推進されています。それにともない、「幼稚園から英語教育を始めたほうが良いのだろうか」と考える親御さんも多くみられます。早期の英語学習は、子どもにどのような影響を与えるのでしょうか。この記事では、幼稚園以前の早期英語教育の概要や学習のメリットについて解説します。

1.英語教育の現状

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日本の教育現場において、小学校では英語が必修となっています。また、2020年からは教育改革として、アクティブラーニングなどの実施とともに、英語教育の強化が大きな施策として挙げられているのです。具体的には、2020年から小学校高学年で「英語の教科化」、小学3~4年生での「必修化」という具合です。このような早まる英語教育の下準備として、「早期英語教育」の需要はぐんと高まっています。
学校で英語を習うよりも先に、家庭で早いうちから英語に触れておくことで、小学3~4年生の授業がスムーズに理解しやすくなります。特に、子どもが中学受験などを予定している場合には、その対策としても有効です。このような理由から、早期英語教育の環境づくりに取り組もうと考える家庭が増えています。

2.幼児の英語教育に適切な時期

英語教育を実施するうえで、親御さんが悩むことも多いのが「学習に適切な時期はいつなのだろうか」という点です。幼児期において、英語教育に触れさせる年齢は「早ければ早いほど良い」とされています。英語学習の肝となる「英語脳」「英語耳」が養われるのは、おおむね0~6歳までが良いという見方があります。そのため、なるべく早期の段階で積極的に英語と触れあうことが重要なのです。
具体的に、0~3歳で学習をスタートした場合、耳に入ってきた周りの音をぐんぐん吸収しやすい状態です。この時期に、英語を「自然なもの」としてインプットさせることが大切なのです。4~6歳のときは、人とのコミュニケーションを積極的に行うことがポイントとなります。ゲームやダンス、音楽などを活用して学習を行うと、より効率的に英語を身に付けられるでしょう。

3.早期英語学習のメリット

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早期に英語学習を行うことは、子どもにとってどのような効果があるのでしょうか。早期英語学習における主なメリットについて見ていきましょう。

3-1.英語への抵抗がなくなる

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教育改革の実施にともない、小学校では英語学習が必修化されます。そのため、早期から英語に触れていない子どもは、英語を強制的に「勉強させられている」という感覚が強くなってしまいがちです。その結果、勉強への抵抗感が生まれてしまい、英語離れの一因になってしまうのです。その点、早期からの学習で英語に触れていた子どもの場合は、英語への抵抗を感じにくい傾向にあります。英語で成績がつけられる「勉強」として強制される前に、遊びながら英語を学んでおくことで、英語への嫌悪感を減らせます。英語離れの要因を減らすためにも、早期英語教育は有効な手段なのです。

3-2.英語脳が発達する

早期英語学習のメリットの一つが、「英語脳が発達する」ことです。英語脳というのは、日本語で話すときは日本語で、英語で話すときは英語で考える能力のことをいいます。この英語脳は幼少期からの学習によって身に付くといわれています。英語をそのままインプット・アウトプットできるため、よどみなくスムーズに話せるようになるのです。日本語と英語とでは、そもそも構造から何もかもが大きく異なります。日本語に慣れ親しんでいる日本人にとって、英語脳になることはとても難しいことなのです。早期英語学習はこの鬼門ともいえる英語脳の発達に効果的で、習得させるだけのメリットがあるといえるでしょう。

3-3.英語耳が発達する

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一般的に、言語の習得には臨界期があるといわれています。英語学習が遅れると、その臨界期を過ぎてしまうことになり、第2言語としての英語習得の難易度はぐんと高くなるのです。早期英語教育では、英語を聞き分ける能力である「英語耳」を幼少期から身に付けられます。日本人が慣れていないと難しい英語の聞き分けも、早期英語学習によって身に付けた英語耳があれば、聞き分けが可能になるのです。

3-4.右脳の発達が促される

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早期英語学習を実施することで、「右脳の発達が促される」のも大きなメリットといえます。左脳は一般的に言語や分析などの「論理的思考」に使われるイメージです。反対に、右脳はより感覚的で、デザインや音楽などの感覚的なものに使われるイメージが強い傾向にあります。3歳までは、感覚的なイメージの右脳が優位に働くという見方が一般的です。そのため、この貴重な時期に右脳教育をしっかりと行うことが重要だといわれているのです。このような右脳教育に、早期英語教育は有効だとされています。英語で歌いながらダンスを踊る、また英語の劇を行うのもおすすめです。視覚・聴覚優位の英語学習は、右脳発達を促すことが期待できます。

3-5.英語の学習時間を増やすことができる

英語を身に付けるための学習には、相当な時間を要します。早期から英語の学習を始めることによって、物理的に学習時間を増やせるのも大きなメリットです。英語の学習に関しては、小学校の授業とは別に1000~2000時間程度が必要だといわれています。しかし、日本の現行の英語教育制度では、この時間をまかなうことはどうしても難しいのが現状です。この膨大な時間を確保するためにも、早期から英語学習を行って貴重な時間を確保することが大切なのです。

4.早期英語学習のポイント

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いざ早期英語学習を取り入れようと思っても、「具体的に何を意識すればいいのかわからない」という親御さんも少なくありません。学習効率を高めるためにも、きちんとポイントを把握しておくことが肝心です。早期英語学習のポイントとはどのようなものなのか、詳しく見ていきましょう。

4-1.子どもの自主性を尊重する

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早期英語学習を行う際は、「子どもの自主性を尊重する」ことがとても重要です。英語に限った話ではありませんが、幼少期における子どもの物事の上達に関しては、「もっとやりたい」という自発的な「好奇心」が原動力となります。したがって、親や周りの人間が「やりなさい」と強制するようなイメージではなく、子どもの興味関心に合わせて英語学習を進めていくことが求められるのです。このとき、子どもの興味関心を大きく引くような教材を与えるなど、工夫が上手にできれば、長期的な英語学習につなげやすくなります。また、自らの主体性を生かしながら英語学習を進められるようになるでしょう。

4-2.親も一緒に楽しむ

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早期英語学習は子どもだけではなく、「親も一緒に楽しむ」ことが基本です。小さな子どもは親と一緒に遊ぶことを、とても楽しいと感じるものです。そのため、英語の勉強も親子で一緒に楽しむことが大切になります。とはいえ、「親子で楽しめることなんて思いつかない」という人もいるでしょう。早期の英語教育であれば、絵本を読み聞かせたり、一緒にダンスをしたりすることもおすすめです。できることは数多くあるため、子どもの趣味に合わせて楽しめることを見つけましょう。
ただし、親がやりたいことを押し通し、子どもが望まない環境を強要することは避けることが肝心です。子どもに負担を感じさせないよう、様子を見守りつつ工夫を行うことが求められます。

4-3.英語の勉強を継続する

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子どもが成長するにあたり、多いのが「英語を勉強する時間が取れなくなった」というケースです。学校の行事が増えたり、習い事が増えたりするなどの理由で、勉強時間の確保が難しくなることもあるでしょう。しかし、英語はコツコツと継続して学習を行うことが重要な教科です。万が一、英語の勉強を途中で辞めてしまった場合、せっかく早期英語教育を実施したとしても、内容を忘れてしまう原因につながります。せっかく覚えたことを忘れないためにも、英語に触れられる環境に身を置けるよう意識しましょう。

5.幼稚園以外で英語教育を受けるには

グローバル化が進む現代では、幼稚園以外の場所で「子どもに英語教育を受けさせたい」と考える親御さんも多くみられます。幼稚園以外で英語教育に触れるためには、どのような場所を選べば良いのでしょうか。英語教育を受けられる場所と、その特徴について見ていきましょう。

5-1.英会話教室

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幼稚園以外で英語教育を受けられる場所として、まず挙げられるのが「英会話教室」です。英会話教室とは、簡単にまとめると英語の「聞く」「話す」ための能力を養うことができる教室を指します。教室によっては、日本人講師だけではなく外国人講師が在籍するところもあります。外国人講師が在籍する教室の場合、幼少期から異文化に触れられることがメリットです。反対に、日本人講師が在籍する教室の場合は、日本の子どもの特性や心理をしっかりと理解しつつ、学習を進められることがメリットといえます。きめ細やかなサポートが期待できるため、安心して子どもを任せられます。
このように、どちらにも異なるメリットがあるため、どちらが良いとは一概に断言することはできません。子どもによって合う学習方法や講師も異なるため、きちんと比較を行うことが肝心です。無料体験などで実際に講師を見てから、慎重に決めると良いでしょう。英会話教室の費用は、講師やクラスなどによっても大きく異なります。ただし、一般的な相場としては週1回1時間弱で、おおむね「1万円前後」が相場だといわれています。学習内容や講師だけではなく、費用まできちんと比較・検討することが重要です。

5-2.英語教室

英語教室とは、英語の文法を学べる教室のことです。英会話教室と同様、ネイティブの講師を取り入れている教室も多く存在します。学習内容としては、主に歌やダンスなどのアクティビティ、またゲームを取り入れたものなど、「楽しさ」を優先するようなレッスンが展開されています。

5-3.プリスクール

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プリスクールとは、1歳児から小学校入学前の乳幼児を対象にしたスクールのことです。主に、バイリンガルの日本人保育士とネイティブの英語講師が、一緒に保育を行うケースが多くみられます。所管は文部科学省、もしくは厚生労働省や都道府県など、各スクールによって大きく異なります。傾向としては、保育園よりも「教育的カリキュラム」を重視しているケースが多いでしょう。また、なかにはインターナショナルに併設されているプリスクールもあります。このような背景から、プリスクールは日本にいながら「国際色豊かな経験」を積めることが期待できます。
費用はスクールによって幅があり、安いところであれば月に「6~7万円程度」が相場となっています。反対に、高めのスクールであれば、「15~30万円程度」の費用がかかることを覚悟する必要があるでしょう。いくら優れたプリスクールであっても、費用が高くて学習を継続できなければ、十分な効果を期待しにくくなります。そのため、しっかりとプリスクールごとの費用を比較したうえで、無理なく続けられるところを選ぶことが重要です。

5-4.インターナショナルスクールの幼稚部

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インターナショナルスクールは、日本に在住する外国籍の子どもに向けた教育施設のことをいいます。学校教育法で定められている学校というわけではなく、「各種学校」という位置づけです。ただ、外国籍の子どもだけではなく、日本人が入籍できるスクールも増えてきています。老舗のインターナショナルスクールでは、子どもだけではなく保護者の英語力が求められることもあるため、注意が必要です。インターナショナルスクールに子どもを入れたいと思っている場合は、保護者自身の英語力も強化しておくことが無難といえるでしょう。インターナショナルスクールの授業は、当然英語で行われます。その結果、高い英語力を養えるという仕組みです。
その反面、英語力に乏しい子どもの場合は、「内容が理解できない」とつらい思いをさせてしまう可能性があるため、注意しましょう。きちんと子どもの英語力を把握したうえで、インターナショナルスクールの幼稚部を目指すかどうか、決めることが求められます。また、インターナショナルスクールは費用が高額な傾向にあります。学費だけでも、年間でおおむね「200万円前後」が必要になるケースが多い傾向です。学費以外にも教科書代や入学費などがかかることもあるため、きちんと内容をチェックしておく必要があります。学費だけでもかなり高額なため、しっかりと家庭の金銭面を加味したうえで、慎重に決断しましょう。

子どもが英語を好きになるように早期から英語に触れさせよう

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早期英語学習には数多くのメリットがあります。義務教育で学ぶための前段階として備えておくと、より英語をスムーズに身に付けられるでしょう。ただし、英語学習は効果的に英語力を高められる反面、注意すべき点もあります。特に、子どもが「楽しい」と思いながら学習できる環境を整えることが重要です。教材などを工夫して、英語を好きになってもらえるように、早期学習の機会を設けるようにしましょう。
Kids Duoは英語を遊びの中で楽しく身につけることができる学童保育です。是非一度体験に来てみてください。

執筆者:英語で預かる学童保育Kids Duo
コラム編集部