私立小学校に通う子どもの学童はどうする?学童の種類・選び方

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子どもが休校日や放課後に安心して過ごせる場所のひとつが学童です。ただ、学童といってもさまざまな種類があります。私立小学校に通う子どもを学童に入れたいと考えたとき、どのようなポイントに注目して選べばよいのか悩んでいる家庭もあるのではないでしょうか。そこでこの記事では、学童の種類について説明するとともに、選び方についても詳しく解説します。

1.私立小学校は休校日が多い!

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私立小学校か公立小学校かにかかわらず、夏休みや冬休み、春休みなどの長期の休みがあります。ただ、私立小学校の場合は、公立の小学校に比べて学校行事が多いことが特徴です。また、私立小学校では秋になると入学試験が行われるため、その間、在校生は休みになります。つまり、公立小学校には存在しない秋休みがあるのです。秋休みは学校によってさまざまで、ある程度まとまった休みになることがあれば、分割して休みになる場合もあります。

さらに、自宅近くの学校に通うことが多い公立小学校と比べて、私立小学校では電車などを使って自宅から離れた学校まで通うことが多い点も特徴です。台風や大雨の影響で警報が発令された場合、私立小学校では一日または午前中が休校になることも珍しくありません。いずれにしても、公立小学校に比べると休校日が多いため、その分、私立小学校に通う子どもを持つ親にとって学童など安心して過ごせる場所を確保しておくことが大切です。

2.「アフタースクール」がある私立小学校を選択するという方法も

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私立小学校のなかには、「アフタースクール」が併設されているところもあり、今や有名私立校でもアフタースクールがあるのは珍しくありません。たとえば港区の聖心女子学院初等科にある学童保育や、大田区の文教大学付属小学校に設けられている文教ファミリークラブなどです。町田市の玉川学園小学部にも延長教育プログラムがあるほか、世田谷区にある東京都市大学付属小学校でも、放課後預かり・講座として専門のコーチや講師による講座が開かれています。

従来は母親が専業主婦のほうがよしとされ、お受験では共働き家庭が不利になる風潮もありました。しかし、女性の社会進出が進み、共働き家庭が増えた現代では、働く母親を応援する体制を整えた私立小学校が増えているのです。また、アフタースクールを利用するのに親が就業しているかどうかを問わず、母親が専業主婦でも預けることができるようになっているところも多くなっています。

私立小学校に併設されているアフタースクールは、基本的にその小学校に通っている児童だけが利用することができます。実際のアフタースクールの運営状況や、運営している事業者などはさまざまです。ただ、私立小学校のアフタースクール事業を手がけている企業のなかには、学校それぞれの風土や教育方針を大切にしたうえで、遊びや学びができるようにプログラムを組んでいるところもあります。アフタースクールのある私立小学校を選択すれば、アフタースクールでも同じ学校の友だちと一緒に過ごせたり、同じ風土や教育方針の流れのなかで学びを重ねたりすることもできるでしょう。

3.私立小学校に通う子どもの学童はどうする?

休校日が多い私立小学校に通う子どもを持つ両親にとって、休校日や放課後子どもが安心して過ごせる学童を探すのは大変なこともあるでしょう。この段落では、私立に通う子どもの学童にはどのような選択肢があるか、サービスやメリット、注意点も含めて詳しく解説します。

3-1.自宅近くの公立学童で他校の子と遊ぶ

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私立小学校に通う子どもでも、自宅近くの公立学童を選ぶことが可能です。さまざまな学校の子どもと遊ぶ機会を得ることができ、学童の場となっている児童館の運動場や体育館などの付属施設を利用することもできます。

3-1-1.公立学童とは?料金やサービスは?

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公立学童は児童福祉法第6条に基づいて地方自治体が運営しているもので、共働き家庭の児童を対象にしています。一般的には「学童クラブ」や「放課後児童クラブ」などの名称で呼ばれ、放課後に子どもたちが過ごし、遊ぶことができる場を提供しています。ただし、公立学童のなかには自治体が直接運営している「公設公営」のところもあれば、運営自体は民間に委託されている「公設民営」の場合もあります。

地方自治体が運営している公立学童の大きな特徴は料金がリーズナブルなところです。地域で多少の差があるものの、民間学童に比べると10分の1程度で、数千円から多くても1万円までで済みます。なお、地方自治体が運営する似たようなものとして「放課後子ども教室」があります。こちらは退職した教員や地域の大人などが指導員として配置され、すべての子どもが対象となっているなど、学童とは異なる施設です。放課後子ども教室では、安全かつ安心な子どもの居場所を確保するとともに、勉強や文化活動、スポーツなども行いながら地域住民との交流も図られています。

3-1-2.公立学童のメリット

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公立学童のメリットとして最も大きいのはやはり費用がリーズナブルだという点です。地域によっても違いがあるものの、おおむね民間学童と比べると10分の1程度で済むため、かかる費用を大幅に抑えられます。公立学童が開設されているのは児童館内・公民館などの公的施設や小学校などの学校施設内です。構内に独立した専用施設を持っているところもあれば、余っている教室を利用しているところもあります。どちらにしろ、学校施設を利用している公立学童では、広々とした校庭や体育館をはじめとした学校施設を利用できるところも大きなメリットです。

自治体でも学童の運営にはさまざまな工夫をしており、定期的に工作教室や一輪車教室などのワークショップも開催されています。また、地域の子どもたちにとって公立学童は普段の行動範囲のなかにあるため、自宅に近い学童を利用すれば通うのに負担や心配も少ないでしょう。公立学童には学童がある公立小学校に通っている子どもたちが多く利用しています。私立小学校に通っている子どもにとっては、自分が通う学校の友だちとは違う仲間と過ごす時間を持つことができ、世界が広がります。

3-1-3.公立学童の注意点

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公立学童は19時まで預かってくれるところが出てきているものの、基本的にほとんどのところでは18時までしか利用することができません。そのため、残業に対応できないなど、両親の働き方に影響を及ぼす場合があります。また、公立学童では習い事や塾に行くために抜けることができないため注意が必要です。そもそも、常に定員が満員の状態であることも多く、入れたいと思っても入れない可能性もあります。公立学童は学校などの広い施設を利用できる点がメリットですが、預かっている人数が多く、子ども一人当たりのスペースとしては意外と狭いという点もデメリットのひとつです。定員に対して指導員の数が少ないこともあり、目が行き届かないことも考えられます。

公立学童では放課後児童指導員が配置され、毎日の預かりの時間内に学校の宿題をすることができます。ただし、指導員が対応してくれるのは声かけ程度であって、個別の指導をしてくれるわけではありません。ほかの子どもが周囲で自由に遊んでいることも普通であるため、学習する習慣がつきにくい点もデメリットです。施設内に漫画が置いてある施設もあり、勉強するかどうかはその子次第だという側面もあります。また、工作などのプログラムやイベントなどが実施されることがあるものの、毎日ではありません。

3-2.手厚いサービスのある民間学童で過ごす

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公立の学童とは違い、手厚いサービスを受けられるのが民間学童です。その民間学童についても料金やサービスなどの概要、メリット、注意点について詳しく解説します。

3-2-1.民間学童とは?料金やサービスは?

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民間学童は公立学童のように行政がかかわっている施設ではなく、民間の企業などが開設および運営をしています。運営費用も利用者から徴収する利用料をもとにしていることもあり、料金は公立学童の10倍程度で3~5万円程度が一般的です。また、預ける時間を延長したときの延長料金や特別なイベントに参加したときのオプション料金などが加算されるとさらに支払う料金は増え、施設や利用の仕方によっては10万円近くになることがあるなど、かなり幅もあります。

提供するサービス関しては特に決まりがあるわけではなく、自治体からなにか運営に関して指示があったり、基準が設けられたりしているわけでもありません。企業によって魅力のあるオリジナルプログラムを組んでいるケースがあるほか、習い事が一緒にできるような施設もあります。

3-2-2.民間学童のメリット

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民間学童は公立学童とは違い、長い時間子どもを預かってもらえるところが大きなメリットのひとつです。公立学童では、なかなか夜間の遅い時間までの対応ができません。しかし、民間学童では基本の預かり時間自体が20時や21時までになっていることに加え、22時や24時まで延長で預かってくれるところも多くあります。夕食の提供をしてくれるところならば、夜遅くなることがある親にとっても安心です。また、公立学童とは違って、習い事や塾へ通う際には抜けることができます。

小学校の近くに立地している場合や、有料ながら自宅と学童、学童から習い事などへの送迎サービスを受けられるところもあります。学童自体で習い事を実施していたり、さまざまなプログラムが用意されていたりなど、公立学童に比べてサービスが多彩で手厚いこともメリットです。さらに、民間学童では預かっている子ども一人ひとりに対して公立学童よりも指導員の目が届きやすく、宿題などの勉強に対してもフォローしてもらうことができます。

3-2-3.民間学童の注意点

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民間学童は公立学童に比べて基本的な料金そのものが、週5で5万円前後~10万円程度とかなり高めです。延長保育や送迎など、さまざまなサービスを追加していくとオプション料金が加算され、思った以上に利用料金が高額になってしまうこともあります。利用したいサービスとかかる料金を把握して、申し込むようにしましょう。

また、民間学童を利用する場合、必ずしも学校の近くや自宅の近くに施設があるとは限りません。通うのに負担が生じることもありますし、親にとっては心配もあるはずです。そのため、親はもちろん子どもにとって、負担のかからない学童を選ぶことが必要です。さらに、民間学童のなかには施設がビルの中にあるところもあり、学校内に設置されている公立学童のように広い校庭などで自由に遊ぶことができない場合もあります。外で遊ぶのが好きな子どもの場合は、物足りなさを感じることもあるでしょう。

民間学童はサービス面が充実しているところが多いですが、それが必ずしも子どもや家庭の事情に合っているとは限りません。たとえば、学童で実施されているプログラムや習い事のなかには素晴らしいものもあります。しかし、どんなに大人がいいと思っても、肝心の子どもが興味を示さなかったり嫌がったりするのに無理強いしては、かえって子どものためにはならないでしょう。そのため、民間学童を選ぶ際は施設が実施しているプログラムなどの内容についても、子どもに合っているかどうか確認しておくことが大切です。

民間学童は営業時間や提供されているサービスのほか、対応するスタッフの質も施設によって全く異なります。そのため、どの学童を選ぶか事前に細かく確認することが大事です。また、人気のある学童はすぐに満席になるため、入りたいところがあるなら早めに情報収集をすることもポイントです。

4.塾や習い事で放課後を過ごすことも検討

子どもの放課後の過ごし方は学童だけに限りません。そこで、塾や習い事に行くという選択をした場合のメリットとデメリットについて詳しく解説します。

4-1.メリット

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子ども自身になにかやりたいことがある場合や、得意なものがあってそれを伸ばしてあげたいと考えている場合、習い事に通わせるメリットがあります。学校で学ぶ以外のことを身につけられる習い事に放課後の時間を利用して通わせれば、子どもを預ける場所も確保できて一石二鳥です。習い事のなかには集中力を養えるそろばんのようなものもあれば、実用的なスキルをつけられる英会話教室、体力づくりやチームワークを身につけることに役立つスポーツの教室までいろいろあります。また、中学受験を目指しているのならば、塾で勉強しながら学力をつけ、勉強する習慣をつけることにも役立つでしょう。

定員オーバーで公立学童に入れないときや、学童の運営方針に合わないと感じる場合の選択肢としても有効です。また、地域の学童に預けると保護者とのかかわりが多くなることも考えられます。もし、そうした他の保護者との人間関係がわずらわしいと感じるなら、あえて公立学童ではなく、習い事や塾へ通わせるのも選択肢のひとつとして考えてもいいでしょう。

4-2.注意点

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習い事や塾は公立学童を利用するのに比べるとやはり費用がかかってしまうのが大きなデメリットです。習い事や塾の内容、どの教室を選ぶかによりますが、1週間で5000~8000円程度かかるところも珍しくありません。複数の教室を組み合わせて週何日か通うことになると、1カ月では数万円必要になってしまいます。いくら子どもにさまざまなことを身につけさせてあげたい、経験させてあげたいと思っても、費用が高すぎると続けるのが大変になることもあります。また、習い事や塾のスケジュールを詰めて預けられる時間を確保しようとしすぎると、子どもにとって無理が出てくることも考えられるため注意が必要でしょう。

5.特色のある民間学童にはどのようなものがある?

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民間学童では学習のサポートなどをしてくれるのはもちろん、放課後子どもの面倒をみてくれるだけにとどまらないところもあります。たとえば、北海道の学童保育「スピリッツ」は、さまざまな学習教材を揃えて自己解決能力が身につくよう指導してくれる学童保育です。また、ダンスやバドミントンのレッスン、余暇を楽しむ工作や絵画、書道、料理など芸術に関する教室も開かれています。

大阪のアフタースクール「Kippo」は阪急阪神グループのメリットを生かした民間学童です。子ども10人に1人のスタッフが配置され、コーチングの手法を生かして自主性や自立性を育み、自分の力でやってみる、自分の力で一歩を踏み出すことを大切にしています。阪急阪神グループの施設を利用でき、駅から徒歩数分という立地のよさもメリットです。Kippoでは最長21時までの延長保育が可能で、迎え対象校ならば阪急タクシーと連携して学校まで迎えに行ってくれます。

Kippo以外の民間学童でも、帰る際に自宅やあらかじめ決まっている送りスポットまでバスなどで送ってくれるサービスを実施しているところもあります。ほかにも、オプションで英会話やピアノなどの楽器の演奏が習えるところや、スタッフ手作りのお菓子を毎日食べられるところなど、民間学童の特徴はさまざまです。子どもの個性や興味、保護者の事情などを考慮に入れ、求めている条件に応じてさまざまな学童を見ておくといいでしょう。

6.英語漬けでのびのび遊べる「Kids Duo(キッズデュオ)」

英語学童として知られるKids Duoについて、聞いたことはあっても具体的なことはよくわからないという方もいるのではないでしょうか。そこで、この段落ではKids Duoの気になるポイントについて詳しく解説します。

6-1.Kids Duoってどんな学童?

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「Kids Duo」は子どもが英語漬けの環境で過ごせる学童保育として開設されました。ただし、英語を勉強するというのではなく、英語が普通に話され、聞こえてくる環境で過ごすことができる学童保育です。施設内には英語がネイティブのスタッフとともに、バイリンガルの日本人スタッフも在籍し、英語でプログラムが行われています。学校からKids Duo まで送迎もしてくれるため、親としても安心して通わせることができます。

6-2.Kids Duoで身に付くこと

Kids Duoは常に英語が飛び交っている環境です。工作などのプログラムやゲーム、外遊びまですべてが英語であるため、そこにいることで自然に英語に親しみ、英語力が身につきます。また、Kids Duoは年齢や学年でわかれているわけではなく、「無学年の集団」です。幼い時期から年齢の違うほかの子どもたちと常に接することで、社会性やコミュニケーション能力も身につけることができます。

どの方法を選ぶにしてもまずは見学・体験をしてみよう!

共働き家庭にとって放課後に子どもを預けられる学童は強い味方です。ただ、学童でも公立と民間ではさまざまな違いがあり、施設によって異なることもあります。それぞれにメリットもデメリットもあるほか、子どもの個性や各家庭のニーズによって、どこがベストかも違ってくるでしょう。どこを選ぶにしても、まずは見学・体験してみることがおすすめです。

執筆者:英語で預かる学童保育Kids Duo
コラム編集部