夏休みだけでも学童に預けられる?学童保育を利用するメリットと選び方

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夏休みは子どもと一緒に過ごす時間が長くなるぶん、息抜きの時間を確保するのが難しくなります。日頃は学童を利用していない家庭でも、夏休みだけ預けることができれば、家事や育児を休む時間を作れるはずです。そこで、学童がどのような施設か気になっている人や、夏休みだけでも利用できるか知りたい人のために、学童のメリットや選ぶ際のポイントなどを紹介します。

1.学童保育ってどんなところ?

そもそも「学童保育」がどのような場所なのか、よく知らないという人もいるでしょう。学童保育の利用を検討する前に、対象者やシステム、子どもを預けられる条件などを知っておきましょう。

1-1.学童保育とは

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学童保育とは、保護者が共働きなどの理由により、放課後に一人で過ごすことになる小学生を預かってもらえる施設やサービスを指します。学童保育には大きく分けて、自治体が運営している「公立学童」と、学習塾などの教育事業を手がける企業や学校法人が運営している「民間学童」の2種類があります。

一般的な学童保育は自治体により運営されており、「学童保育」という名称のほか、「学童クラブ」と呼ばれることもあります。いずれの施設も指導員が常駐し、宿題をしたり、同じく預けられている子どもたちと一緒に遊んだりして時間を過ごします。

また、各々の子どもたちが好きなことをして過ごすだけではなく、掃除や遠足などの集団行動を行うのも特徴です。また、民間学童では、ピアノやプログラミングなどのレッスンを受けられたり、英会話を習得できたりといったプログラムを用意しているケースもあります。

さらに、民間学童には夜遅くまでの預かりに対応している施設や、夕食を食べさせてくれるサービスを提供している施設もあるので、帰宅する時間が不規則だったり遅くなりやすかったりする家庭も利用しやすいです。いずれの学童保育も、親の目が行き届きにくい放課後に子どもの安全を守り、健全な育成をサポートするという役割を担っています。

1-2.学童保育の対象年齢

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学童保育の原型となったのは、1950年代に民間で始められた子どもの預かり施設です。1970年代に入ると、そのような施設に国から助成が行われ、本格的な学童保育として普及していきました。1970年代から2014年まで、公営の学童保育は小学3年生までの児童が対象でした。2015年以降は制度改革により、小学6年生まで預けられるようになっています。

全国学童保育連絡協議会の調査によると、2016年5月の時点で学童保育に通う児童数は約107万6500人です。共働き世帯の増加や核家族化により、学童保育の需要は高まりつつあります。一方で、施設や職員の供給が追いつかず、入所を希望する児童を全員受け入れられる学童保育が少なくなっているのも事実です。特に、小学校4年生以上の児童は入りにくい傾向があります。

1-3.学童保育へ預けられる条件

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学童保育を利用できる家庭や子どもの条件は、施設の運営母体により異なります。たとえば、公立学童の場合は基本的に、保護者が働いていることが条件です。一方、民間学童では入所にあたり条件が設けられていない施設も少なくありません。いずれの学童保育も、基本的には保護者が働いている子どもを預かる場所という前提で運営しています。

ただし、市区町村によっては入りやすい学童と入りにくい学童があるため注意が必要です。特に、都市部やベッドタウンなど、人口が集中しやすい地域の学童では、入所する前に厳しい審査が行われる傾向が見られます。

主に審査されるのは、保護者の勤務形態や雇用形態です。両親がともに正社員だったり、フルタイムで勤務していたりする共働き家庭であれば、審査を通りやすくなります。しかし、片方の親が非正規雇用の場合や、パートタイムなど短時間勤務の場合は不利になる可能性が高いです。ただし、片方の親が病気や療養等の理由により子どもの世話をするのが難しい状況であれば、優先的に入所させてもらえる場合があります。

1-4.学童保育を利用する際の注意点

学童保育を利用するにあたり、いくつか注意するべきポイントがあります。まず、公立学童はお弁当を持参しなければならない施設がほとんどです。そのため、学童保育に行く日は、お弁当を作る手間が発生してしまいます。また、公立学童には子どもだけ先に帰宅させることができない施設もあるため、習い事のスケジュールを調節する必要が生じる場合もあるでしょう。さらに、公立学童では預かり時間が9:00~18:00までと決まっていることが多く、フルタイムで働いている保護者にとっては、迎えに行くのが厳しくなる可能性も考えられます。

その点、民間学童には夜遅くまでの預かりに対応している施設や、夕食を食べさせてくれるサービスを提供している施設もあるので、帰宅する時間が不規則だったり遅くなりやすかったりする家庭も利用しやすいです。送迎サービスがある学童もあります。

仕事の都合で送迎が難しくなる可能性があるかよく検討しておかなければなりません。

2.学童保育はそもそも夏休みだけの利用も可能?

公立学童でも民間学童でも、ほとんどの施設は夏休み中も利用可能です。ただし、公立学童では受け入れ人数に制限を設けている場合もあり、夏休みのみの預かりを受け付けていない施設もあります。夏休みに学童の利用を検討している場合は、事前に問い合わせておくと安心です。

実際に、夏休みだけ民間学童を利用する家庭は多く、学校が始まる8:00頃から子どもを預かってもらえます。帰る時間は通常の期間と同じ18:00頃です。料金は施設により異なるものの、公立学童なら月額7000円から1万5000円程度で利用できるケースが一般的でしょう。

ただし、民間学童の場合は料金の幅が大きく、平日の朝から夕方まで子どもを預ける場合、公立学童の数倍にも及ぶ料金が発生する可能性もあります。入所を申し込む前に必ず料金を確認し、無理なく利用できる施設を選びましょう。なお、1日の過ごし方は基本的に通常期間と変わりませんが、施設で行うイベントの計画や準備をしたりプールに行ったりすることもあります。

3.夏休みだけ学童保育を利用するメリット

学童保育を利用することでメリットを得られるのは、親だけではありません。働いている間も子どもの安全を確保できるのはもちろん、集団行動を通して家族以外とコミュニケーションをとる機会が増えたり、規則正しい生活リズムを維持できたりなど、子どもにもメリットがあります。さらに、夏休みにしかできない体験を味わえるのも大きなメリットです。ここからは夏休みに学童保育を利用する具体的なメリットについて詳しく紹介します。

3-1.1.友達や大人との交流が増える

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学童保育には基本的に学校のようなクラス分けはありません。そのため、さまざまな学年の児童と接することができます。普段の学校生活では、学年が違う友達や家族以外の大人と接する機会はそれほど多くありません。学童に通えば学童指導員をはじめ、学校の先生以外の大人と関わる機会が増えるのです。一人っ子でも学童を通して、お兄さんやお姉さん、年下の子の気持ちや関わり方を学ぶことができるでしょう。

また、テレビゲームやインターネットが普及している時代において、子どもたちは一人で遊ぶことに慣れつつある傾向が見られます。遊びを通してたくさんの人と関わってほしいと考えている家庭においても、人と接する時間が圧倒的に増える学童保育はメリットが大きいといえます。

3-2.2.安心して子どもを預けられる

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時代が進むにつれて、共働き世帯は増加の傾向を辿っています。同時に、留守番などで大人がいない時間を過ごす子どもが増えているのが現状です。大人の目が届かない時間帯が多く、子どもの安全が心配な家庭も、学童保育に預ければ安心です。子どもが一人でいる時間を減らすことで、交通事故など不慮の事故に巻き込まれる可能性を減らすことができます。

施設には必ず学童保育員が常駐しており、注意深く子どもたちの面倒を見ながら安全を確保しているため、小学校低学年の児童でも安心して預けられるのです。施設によっては保育士や社会福祉士などの資格を取得している学童保育員を採用している場合もあります。

3-3.3.規則正しい生活リズムを維持できる

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夏休み中に保護者が最も心配なのは、子どもの生活習慣が崩れてしまうことです。夏休み中は早起きする必要がないため夜更かしをする子どもも多く、昼まで起きてこないなど不規則な生活になりやすい傾向があります。学童では基本的なスケジュールがあらかじめ決められているため、生活リズムが崩れる心配はありません。小学校とほぼ同じリズムで生活できるため、学校が始まるまで規則正しい生活リズムを維持できます。

また、学習時間も決められているため、宿題や自主学習をする時間を確保しやすいのも大きなメリットです。ただし、学童保育では友達が常に周りにいるため、子どもによっては勉強よりも遊びに夢中になってしまうことがあります。そのため、学童保育で行う勉強の範囲を事前に保護者が決めておいたり、帰宅後に学習した内容を確認して褒めてあげたりなど、子どものモチベーションを維持する工夫をしてみると良いでしょう。

3-4.4.さまざまな体験ができる

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公立学童では夏休み中でも、特別なイベントを行う施設は多くありません。一方、民間学童では多くの施設が、いろいろな体験プログラムを用意しています。たとえば、ピアノや英会話、プログラミングなどの体験レッスンを受けられたり、キャンプやテーマパークへのお出かけプログラムに参加できたりします。

中には、英語を使用して生活することで、英語と生活能力の両方を習得できるなど、個性的なプログラムを体験できる民間学童もあるのです。子どもによっては夏休み中に親と一緒に自宅で過ごすより、年齢が近い友達とさまざまな経験ができたほうが楽しいと感じる場合もあるでしょう。どのようなプログラムを受けてみたいか子どもと話し合うことで、家族のコミュニケーションをとる時間が増えるのも魅力です。

4.学童保育を選ぶ際のポイント

学童保育を利用するにあたり、公立学童と民間学童のどちらを選ぶべきか迷っている人もいるでしょう。公立学童は各地方自治体が、税金で設立と運営を行っています。ただし、全ての施設を自治体が直接運営しているわけではなく、民間の組織に運営を委託している施設も含まれているのです。小学校や児童館などに併設されている施設が多く、校庭や体育館で遊ぶこともできます。
預かっている間は子どもを自由に遊ばせる方針をとっている場合が多く、宿題や自主学習の指導を行うことは少ないです。

民間学童は学校法人や企業により設立されているため、学習塾や習い事教室を提供している企業が運営しているケースも多く見られます。選択肢が豊富で、食事を提供したり、学習指導を行ったりなど民間学童ならではのプログラムを受けられる施設も多いです。

このように、公立学童と民間学童にはさまざまな違いがあります。ここからは学童保育を選ぶ際に、具体的にどのようなポイントに注目するべきかを見ていきましょう。

4-1.費用

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まず、注目したいのは費用です。公立学童は税金で運用されているため、比較的安い料金で利用できます。一方、民間学童は一般企業や学校法人が経営していることもあり、公立学童よりも費用が高くなる傾向が強いです。
費用の目安は公立学童なら月額3000~7000円程度、民間学童なら月額1万円ほどかかります。ただし、土日や夏休みなどの長期休暇に利用する場合は、追加料金が発生するため注意しましょう。

4-2.サービス

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公立学童と民間学童では、サービスの内容も大きく異なります。
公立学童は学習をする場というよりも、子どもたちの居場所を確保するための場であり、指導より見守る目的が強いです。宿題をする時間はあるものの、それ以上の学習指導を受けることはありません。一人ずつフォローを行うこともなく、宿題の時間に声かけを行う程度です。

民間学童の多くは子どもたちの教育に力を入れており、施設ごとにさまざまなプログラムを用意しています。宿題のフォローはもちろん、個別指導もしてくれるため、学習に力を入れたいのであれば民間学童を選んだほうが良いでしょう。途中で他の習い事に行けたり、送迎サービスを受けられたりする施設もあります。

4-3.預かり時間

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学童保育を選ぶ際は、預けたい時間に対応しているかという点にも注目しましょう。
公立学童は基本的に18:00まで預けられる施設がほとんどですが、自治体によっては19:00まで延長できる場合もあります。そのため、保護者がフルタイム勤務の場合、帰宅の時間に間に合うよう迎えに行くのが難しいこともあるでしょう。

民間学童では多くの施設が20:00までの延長を受け付けています。場合によっては22:00まで延長できたり、お泊まりも可能だったりと、保護者の希望に合わせて柔軟に対応してくれる施設も少なくありません。

4-4.スタッフの人数・質

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保護者にとってはスタッフの質や人数も気になるポイントです。
公立学童では児童40人に対して指導員が2人と、少ない人数で対応しているケースがあります。放課後学童クラブや学童クラブと呼ばれる学童保育は、小学校の敷地内で行っていることから、指導員もボランティアが一般的です。

民間学童では、預かっている児童一人ひとりに目が行き届くよう、十分な人員配置を行っている施設が多く見られます。特に、塾や習い事を兼ねている民間学童では、幼稚園や小学校、中学校などの教員免許を取得している教育者が指導員となることも珍しくありません。

5.せっかくなら、夏休みの学童で子どもに特別な体験をさせてあげましょう

学童保育は夏休みの間も利用できたり、子どもにさまざまな体験をさせられたりと、保護者と子どもの双方にメリットがあります。学童保育を活用すれば、長い夏休みの期間を利用して、親以外の大人や友だちと関わりを持つ機会を作ることも可能です。

Kids Duo(キッズデュオ)では夏休みの期間にお子さまを英語環境でお預かりするサマースクールも行っています。サマースクールではネイティブの先生とともに、毎日異なる楽しいプログラムをたくさんご用意しています。

自分専用のオリジナルクリアバックを作ったり、クラッカーやプリンなどを夏っぽくアレンジしたり、その日のテーマに沿って様々な経験ができます。自然に英語に触れ、長時間を英語漬けで過ごすことができるので毎年大人気のスクールです。

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執筆者:英語で預かる学童保育Kids Duo
コラム編集部