「英語脳・英語耳は若いときにしか作れない」など、英語の早期教育の重要性は、専門家もよく口にしています。実際のところ、小学生から英語の勉強を始めると、どのようなメリットがあるのでしょうか。また、どのようなことに注意したらよいのでしょうか。この記事では、2020年に小学校で実施された教育改革・英語教育の変更について解説した後、小学生から英語を学ぶメリット・デメリットを紹介します。
この記事の目次
1.2020年の教育改革とは
日本政府は戦後最大といわれる教育改革に着手しました。これが、2020年の教育改革と呼ばれているものです。具体的には、学習指導要領が約10年ぶりに大幅に改訂されることで、学校の教育が大きく変わりました。この学習指導要領による指導が及ぶ範囲は、小学校・中学校・高等学校です。一律の水準で教育を受けられる国民の権利を確保するというのが、学習指導要領作成の目的ですから、国立・公立・私立を問わずに、全国のすべての学校で適用されたのです。
2020年の教育改革のなかでは、英語教育の抜本的な改革も行われました。急速に進むグローバル社会において、将来的に活躍できる人材を育てるというのが、教育改革の大きな目的であるからです。そのためには、実質的な世界の共通言語である英語の習得が欠かせません。教育改革では英語教育の大幅な拡充と強化、高度化が図られました。
今までの改訂なら、子どもが教育を受ける様子をみたうえで、保育施設や塾など、必要な学習サポートを検討しても問題はなかったかもしれません。しかし、前もって積極的な対策が必要なほど、大幅な変更があるのが、この2020年教育改革なのです。
新学習指導要領は、教育の段階ごとに、順次実施していきます。小学校は2020年から、中学校は2021年から、高校は2022年から、全面的に実施されます。なお、一部の小学校では、2018年からすでに、新学習指導要領が採用されています。
2.英語の必修化が小学校にもたらす変化
2020年の教育改革によって英語が必修化されました。そのなかで、小学3年生から「外国語活動」が始まることと、小学5年生から英語が必修化されることは、大きな変化といえます。ここでは、それらがもたらす変化について、3・4年と5・6年に分けてみていきましょう。
2-1.3・4年生
英語の必修化によって、3・4年生の授業にもたらされる変化は、従来5年生からスタートしていた「外国語活動」の前倒しです。2020年からは3年生から行われることになりました。どれぐらいの時間が、この授業に割かれるのかというと、年間35単位です。週1(~2)回ぐらいの頻度で外国語活動の授業があると考えれば、イメージがわくのではないでしょうか。
「外国語活動」は文部科学省によると「活動型」学習と定義されています。わかりやすくいうと、実物を使ったクイズや歌、ダンスなどを通じて、外国語つまり英語に親しんでいくという学習スタイルです。それほど高度な内容ではないこともあり、授業は学級担任が担当します。日常的な生活における挨拶や簡単な会話なども教えられ、初歩的な英会話を学びます。
2-2.5・6年生
教育改革によって、小学5・6年生にもたらされる変化は、5年生から、英語が正式に教科に格上げされることです。中学校で必修である英語が、実質的に前倒しされた、と考えてもよいでしょう。文部科学省によれば、5年生から始まる英語は「教科型」学習に位置付けられており、要するに、国語や算数などほかの科目の授業と同じということです。したがって、中学校以降の授業につながるように、本格的な学習が行われます。
この英語の授業に割り当てられている時間は、年間70単位です。ただし、1単位45分の授業を70回行うのではなく、「モジュール授業」も採用されます。モジュール授業とは、15分間の短い授業のことです。朝の読書時間や算数のドリルなどで、すでにモジュール授業を導入している小学校は多いですが、英語ではより積極的に適用されるのです。多くの小学校では、主に45分の授業で学んだことを復習・反復する時間として、モジュール授業が活用されることになるでしょう。
5年生から始まる英語の授業では、学級担任のほかに、専門の講師を積極的に活用し、実践的なコミュニケーションスキルを身に付けさせます。あるシチュエーションを想定してその場で考えて質問をしたり、日常生活に関するスピーチを聞き取らせたりする、などの内容が盛り込まれているのです。また、これらの「話す」「聞く」だけでなく、「読む」「書く」という学習内容もあります。
つまり、4技能を総合的に活用した基本的な英語能力を身に付けることで、中学校からのより高度な学習につなげられるような、カリキュラムになっているのです。単語数だけをみても、600~700語の語彙を習得しなければなりませんから、以前に比べると、高い目標を掲げていることがわかるでしょう。何らかの補助的な学習がなければ、英語が苦手科目に変わってしまうリスクも大きいのです。
3-1.学校の英語の授業にもついていける基礎が身につく
すでにみてきたように、教育改革によって、英語学習の難易度は上がります。小学3年生から始まる学習には付いていけたとしても、小学5年生からは読み書きの指導が始まりますから、それなりに勉強をしなければ理解できなくなってしまうでしょう。もし、この学習過程で落ちこぼれてしまうと大変です。中学からは、授業がすべて英語で行われることが基本方針となっているので、大げさにいえば、学ぶことすらできなくなってしまう恐れがあるのです。英語を実践的に使えるまでになるには膨大な時間が必要ですので、小学生から英語を学ばせようという国の方針は、間違っているとはいえないでしょう。ですが、小学生の段階でつまずいてしまい、英語力に自信がなくなった子どもは、その後ずっと落ちこぼれのままになるリスクもあるのです。
「学習指導要領とは別に、大学受験さえ頑張ればよいのだ」という考え方もあるでしょう。確かに、従来の試験では、知識を問う選択式の問題がメインでした。しかし、大学受験においても、従来の「読む」「書く」の能力だけでなく、「聞く」「話す」の能力を加えた4技能のバランスを問う試験へと、シフトすることが予想されています。やはり、小学校からしっかりと教えてもらえる英語教育、授業から多くを学ぶことが、有利な状態で大学受験に挑むためのポイントになるのです。
3-2.「英語脳」や「英語耳」が身に付く
「英語脳」や「英語耳」という言葉を聞いたことがありますか。大人向けの英語学習の本などでも、盛んにこの言葉が使われています。英語脳とは、いちいち日本語に訳さず、ダイレクトに英語を理解する能力などを指す造語です。英語耳とは、英語特有の日本人にとって聞き取りにくい発音などを、聞き取れる能力などを指します。しかし、中高生になってからこれらの能力を育てるのは、実は難しいのです。
その理由は、言語学習には臨界期があるといわれており、一定の年齢を超えると、スムーズに言語を吸収できなくなるとされているからです。9~10歳頃に臨界期の終わりを迎えるというのが定説ですから、思った以上に短いと感じるのではないでしょうか。言語学習に適した小学校のうちに充実した英語学習を受けることが、英語脳・英語耳の取得に効果的なのです。
さらに、英語特有の発音や周波数を聞き分ける「英語耳」を身に付けるにも、若いほどよいことがわかっています。日本語と英語では、使われる周波数が異なるため、小さいころに聞いた経験がないと、その後も認識しにくくなってしまうからです。ネイティブに近い英語で会話をするためには、「英語脳」と「英語耳」は必須のスキルです。鉄は熱いうちに打てという言葉があるように、子どものために、早期教育の環境を整えてあげましょう。
3-3.異文化に親しむきっかけになる
母国語である日本語以外の言語を学ぶことは、異文化に親しむきっかけになります。挨拶の仕方やテキストで紹介される生活様式などを通じて、自然と外国の文化を受け入れる下地がつくられていくのです。特に、考え方に柔軟性のある幼児や小学生においては、このメリットを大いに享受できるでしょう。
国際感覚で非常に大切なことは、多様性を受け入れ、異文化に寛容であることといわれます。無意識レベルでこうした感覚を身に付けることは、子どもにとって、後々大きな財産となるでしょう。外国人の講師などとの交流は、そのきっかけのひとつです。もし、学校以外にもこのような場を持てれば、もっと異文化に親しむ心を育めるのではないでしょうか。
3-4.英語への抵抗が小さい
日本語のみの環境で長く生活していると、英語など外国語を学ぶことに対して、どんどん抵抗を感じるようになっていきます。その点、好奇心旺盛な子どもの時期に英語学習を始めれば、すんなりと英語になじんでいけます。特に小さな子どもの場合、「人と楽しく会話する」「友だちをつくる」といった日常生活の延長上において、英語を勉強できるのです。また、ゲーム感覚でスポンジのように英語を吸収していくので、机で集中して学習するより、効率的な学習効果が期待できます。4-1.日本語の習得に影響する
英語に限ってみても、学習の難易度は大きく上がっています。「この教育改革にはあまりにもゆとりがない」と思う人もいるのではないでしょうか。確かに、このような状況において、無理に英語学習の負担を増やすと、違う科目に影響が出る可能性もあります。たとえば、母国語である日本語の習得が、おろそかになってしまうことも考えられるでしょう。
国語はすべての科目のベースになるものです。日本語が未熟なままだと、物事を論理的に考えられません。「セミリンガル」という言葉を知っているでしょうか。セミリンガルとは、二か国語をしゃべれるけれども、会話が子どもレベルのままの人です。結局のところ、コミュニケーションの土台になっているのは、論理的な思考能力です。このベースがないとセミリンガルになるリスクがある、ということも知っておきましょう。
4-2.子どもの意思が軽視される場合がある
子どもの英語教育は、親の意向で始められることが多いといえます。そして、親の意向に対し、特に小さな子どもの場合は、自分の意見をうまく伝えられないことが多いのです。親と子のコミュニケーションがうまくいかないと、本当は子どもが英語教育を嫌がっているのに、親が無理強いしてしまいがちです。こうなってしまうと、英語嫌いにさせるために英語教育を受けさせている状態になりかねません。教育には難しい面もありますが、できるだけ子どもの意思も尊重しましょう。
5.小学校からの英語教育のデメリットを払拭する方法
小学校からの英語教育にはメリットが多くありますが、一方「国語の学習がおろそかになる」「英語嫌いになるリスク」というデメリットもあります。ここでは、どのようにすればデメリットが払拭できるのか紹介します。
5-1.家庭でしっかりと日本語を教える
「英語教育によって国語がおろそかになるかもしれない」というのはもっともな心配ですが、日本に住んでおり、日常的に日本語を使う環境であれば、セミリンガルになる恐れはほぼありません。
しかし、子どもを英語漬けの環境に置いている場合などは、家庭でしっかり日本語教育をすることが重要です。たとえば、本を読み聞かせたり、今日あったことを親子で話し合ったりして、積極的に日本語を使うように心がけましょう。英語漬けの日々によって、子どもが疲れていることもあるので、なるべく勉強として感じさせない方法が効果的です。
5-2.英語教育に適した保育施設を利用する
親にとっては少し寂しいことですが、子どもの自発性を最も高める方法は、親の手から離れさせることです。英語教育に適した保育施設を利用して、子どもが自主的に英語を楽しめるような環境を、用意してあげてはどうでしょうか。
実は、この自主性こそが、子どもが英語嫌いにならないためのポイントでもあるのです。自ら進んで英語を学んでいる充実感や、ゲーム感覚で学んでいる楽しさがあれば、英語に対して苦手意識を持つことは少ないでしょう。
また、「ネイティブの講師とコミュニケーションをとりたい」という子どもの欲求を満たしてあげるのにも、保育施設は最適です。このようなモチベーションがあれば、子どものほうから、どんどん英語を使うようになるはずです。
6.小学校からの英語教育に適したおすすめの保育施設
小学校からの英語教育に適しているおすすめの保育施設として、「Kids Duo(キッズデュオ)」を紹介します。Kids
Duo(キッズデュオ)は、子どもを英語漬けの環境で預かってくれるうえ、社会性とコミュニケーション力も育てられる、新しいタイプの学習保育施設です。
Kids
Duo(キッズデュオ)では、ネイティブとバイリンガルの講師との交流を通じて、自然に英語を習得していけます。ただし、原則として、会話はすべて英語です。そのため、英語のシャワーを浴びて、英語脳・英語耳がぐんぐん育っていくのです。もちろん、こうして身に付けた英語のスキルは、小学3年生からの外国語活動や小学5年生から必修科目になる英語にも、役立つでしょう。
小学生は送迎のサービスがあるので、親の都合に合わせて20時半まで延長保育を頼むことができます。この時間なら、たとえば共働きの夫婦でも十分対応できるのではないでしょうか。より早期の教育を希望するなら、幼児の通うプリスクールが用意されています。小学校に入る前の子どもたちの間で、英語に親しんでいきましょう。遊びと学びの両面から、子どもの英語の感性を刺激して育ててくれます。
この機会に、新しいタイプの学習施設「Kids Duo(キッズデュオ)」の無料体験に申し込んでみてはどうでしょうか。
執筆者:英語で預かる学童保育Kids Duo
コラム編集部