子どもの英語教育はいつから始めたらいい?教育のポイントについても解説

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現代社会において英語の必要性はますます高まっています。そうした状況の中で、子どもの英語教育はいつからはじめるべきなのかについて頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。この記事では日本と海外での英語教育の現状を紹介しつつ、子どもの英語教育を始めるべき時期や教育を施すときの注意点などについて詳しく解説をしていきます。

1.日本の英語教育の現状

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TOEICは客観的な英語力を示すものとして最も信頼されている指標の一つです。そして、国際ビジネスコミュニケーション協会が発表したところによると、2018年の日本におけるTOEIC受験者の平均スコアは520点となっています。これは受験者数が500人以上いる49カ国の中では44位です。ちなみに、日本より成績の下の国はマカオ、モンゴル、タイ、インドネシアなどで、同じアジアでもフィリピンや韓国などは日本より遥かに上です。先進国の中での日本の英語力はかなり低いといわれていますが、これはそれを裏付けるデータとなっています。

一方、そうした現状を打破すべく、日本では戦後最大ともいわれる教育改革が行われています。2020年以降に小・中・高で実施される新学習指導要領がそれで、従来は小学校5年生から行われていた年間35単位時間の外国語活動が、前倒しで小学校3年生から行われるようになるのです。そして、小学校高学年では英語が正式教科として時間割に加わり、小学校卒業までに600~700語の習得が目標として設定されることになります。さらに、中学及び高校の英語の授業はすべて英語で行うことが基本とされており、従来よりも実践力の高い英語能力が求められることになります。つまり、文法や単語などといった知識偏重の英語教育から生徒自身が英語を使って学ぶ、総合的な英語教育への変換を図ろうとしているわけです。

今後、国際社会における他国との競争のなかで遅れをとらないようにするため、英語に関しては日本もこのようにさまざまな取り組みを行っています。しかし、世界を見渡すと、もっと進んでいる国は数多くあります。アジアの中でいえば、シンガポールと中国がその代表例です。

2.海外の英語教育の現状

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日本の英語教育の現状と問題点をより深く理解するには海外との比較で考えていく必要があります。そこで、この段落では、アジアの国々の中でも特に英語教育に力を入れているとされるシンガポールと中国の現状に焦点を当て、具体的な取り組みとその成果などについて解説をしていきます。

2-1.シンガポール

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1965年に独立を果たしたシンガポールは中国系、インド系、マレー系といった具合に多数の民族から形成された国家であり、言語もバラバラでした。そして、円滑なコミュニケーションの必要性から共通語として英語が採用されたという経緯があります。そのため、現在では学校でも当たり前のように英語でのコミュニケーションが行われているというわけです。制度としては英語と母語の二言語教育ということになっており、すべての民族の言語は平等に取り扱われるとされていますが、母語授業以外はすべて英語が使用されています。ちなみに、人口の大半を占めるのは中国系であり、その多くは幼少期から英語と中国語のバイリンガル教育を受けているのです。

そうした状況にあるため、国際的な英語テストにおいても当然のように優秀な成績を収めています。たとえば、大学レベルの英語力が問われるTOEFL iBTテストでも、シンガポールの成績はアジアトップレベルに位置しています。一方、日本の成績は2017年度の試験において、アジア36カ国中、下から2番目でした。この差がどこにあるかというと、公用語として幼い頃から英語に慣れ親しんでいるという環境の差はもちろんですが、小学校の卒業試験で良い成績を収めないと進路に影響が出るという、制度上の違いも原因の一つとして挙げることができます。つまり、将来に影響が出るため、保護者の教育熱も高く、英語教育にも力を入れているというわけです。

2-2.中国

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20世紀末から急激な経済発展を遂げた中国は、2001年にWTO(世界貿易機関)へ加盟し、2008年に北京オリンピックの開催を実現させるなど、国際社会における存在感をどんどん増してきています。そして、それと同時に、必要性の高まった英語の教育に力を入れ始めるようになってきたというわけです。WTO加盟と同じ2001年には小学3年生からの必須科目として英語を導入していますし、現代では小学校卒業時点で1600語の単語習得という目標が課せられているのです。それと比較すると、2020年以降に小学校卒業時点での習得目標を600~700語に設定するとしている日本が大きく出遅れているという事実がわかります。

一方、中国は教育の体制を整えただけではなく、その成果も着実に実を結んできています。たとえば、大学レベルの英語力が問われるTOEFL iBTテストでも、シンガポールと同様に高い水準を得ているのです。中国の場合、シンガポールのように日常的に英語を使う環境があるわけではないのですが、キャリアアップのためには英語運用能力が必要だという強い共通認識があります。そうした意識の違いが日本との英語力の差となって表れているのではないでしょうか。

3.子どもの英語教育を始めるべき時期とは

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21世紀に入って以降、社会のグローバル化が急速に進展しており、日本においても2020年の東京オリンピックやパラリンピックを経てさらに国際化が進んでいくことが予想されています。そして、それに対応すべく、2020年には日本の教育機関における英語の授業も一大改革が実施されます。英語がこれまで小学5年からだったのが前倒しになり、小学校中学年から実施されるようになるのです。そのうえで、学年が上がるのに応じて内容の難易度を高くすることで、なるべく早い時期からの英語力アップを目指せるようにしていくというわけです。

以上の現状を念頭に置いて考えるのなら、グローバル社会に対応するためにも、学校の授業についていくためにも、子どもの英語教育はなるべく早い時期に始めるのが正解だといえます。それに、急速に脳が成長する幼児期は語学力を上げるのに適した時期でもあります。言葉を知らなかった幼い子どもがみるみるうちにしゃべれるようになるのをみてもわかる通り、言語に対する吸収力は大人よりも優れているのです。しかも、ただ吸収するだけでなく、吸収した知識の定着率に関しても幼少期の能力は群を抜いています。したがって、この時期に英語の基礎や英語を学ぶ楽しさをしっかりと教えておけば、その後の英語学習もスムーズに行うことができるようになるはずです。

4.子どもの英語教育を幼児期から始めるメリット

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英語教育を行う際にはそのメリットについてしっかりと把握しておく必要があります。それを怠っていると、手段が目的と化してしまい、いくら続けても一向に成果が上がらないなどといったことになりかねません。それでは、子どもの英語教育を幼児期から始めるメリットについて詳しくみていきましょう。

4-1.英語習得に必要な学習時間を確保できる

アメリカ国務省の附属機関は、中国語、アラビア語、朝鮮語などと共に日本語を英語話者にとって最も習得が難しい言語であるグループ4に位置づけています。そして、英語を母国語とする研修生が日常生活に困らない程度の日本語を習得するためには2400~2760時間の学習を要するとしています。しかも、これはあくまでも、アメリカのエリートたちが集中的に学んだ場合の目安です。逆に日本人が英語を取得する難易度が同等のものとするのであれば、ごく平均的な日本人が英語を習得しようと思えば、それ以上の時間が必要となります。

ところが、小・中・高の英語学習時間は合計しても1000時間に満たないのです。これでは到底満足なレベルでの英語習得はのぞめません。将来的に、国際社会で通用する英語力を身につけようと思えば、学校の授業とは別に最低でも1000~2000時間の学習時間を確保したいところです。ただ、子どもが就学してしまうと、他の教科も勉強をしなくてはならなくなるため、英語習得に割ける時間はどうしても短くなってしまいます。その点、就学前の幼少期なら、そのための学習時間をたっぷり確保することができます。つまり、幼児期から英語学習を始めることで、総学習時間の点でアドバンテージを得ることが可能となり、最終的に英語を習得できる可能性がぐっと高くなるというわけです。

4-2.「英語耳」や「英語脳」を育てられる

言語習得には臨界期と呼ばれるものがあります。臨界期とは学習を効率よく行える期間のことであり、語学の場合については諸説あるものの、多くの人が唱えているのが臨界期は9~10歳までという説です。つまり、昔のように中学から英語学習を始めたのでは遅すぎ、新たな方針として打ち出された小学校中学年でもギリギリということになります。そもそも、なぜ9~10歳までに学習を始めると習得が早いのかというと、臨界期に英語を学習することで「英語耳」や「英語脳」が身につく確率が非常に高くなるからです。

ちなみに、英語耳とは英語の発音や周波数を聞き分けられる聴覚のことで、英語脳とは英語で思考し、英語を英語のまま理解する能力を指します。英語をネイティブのように使いこなすにはこの2つを身につけることが重要なのですが、大人になって聴覚も思考も日本語に慣れ切ってしまうとそれが困難になってしまいます。日本語とは全く構造が違う英語を英語耳も英語脳もなしに大人になってから習得するのは大変です。そうならないためにも、幼少期から教育を始めるのがよいというわけです。

4-3.文化の多様性を受け入れやすくなる

日本は島国であるが故に、異文化との交流をあまりおこなってこなかったという歴史があります。そのため、日本人には異文化を敬遠する性質が根強く残っています。しかし、グローバル化が急速に進む現代において、それでは時代に取り残されていくことにもなりかねません。そこで、幼少時の教育が大切になってくるのです。つまり、まだ小さな子どもだからといって狭い世界に閉じ込めておくのではなく、英語学習を通じて幼児期から異文化に触れさせておけば、多様な海外の文化も受け入れやすい感性が身につくというわけです。

そして、そういった教育が、将来的にグローバル社会で活躍できる土壌を育んでいくことになります。また、英語には敬語表現にあたるものがほとんどなく、表現がストレートという特徴があります。その言語的性質をじかに感じれば、外国人のふるまいに対する理解も深まり、将来、海外の人々と接する際にもスムーズなコミュニケーションがとれるようになるはずです。

5.幼児期の英語教育のポイント

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幼児期から英語教育を始める重要性が理解できたところで、次に、実際に英語教育を行ううえでの重要ポイントを3つにわけて紹介していきます。

5-1.「聞く」「話す」能力を中心に育てる

幼い子どもは本を読んだり、文字を書いたりしなくても聞いたり、話したりするだけで日本語を覚えていきます。一方で、大人が特定の言語を習得する際には、その言語を読んだり書いたりといった学習が主体となりますが、それは大人がそういった学習を得意としているからです。逆に、子どもは「聞く」「話す」といった能力の習得に優れているとされています。このように、大人と子どもでは得意とする分野がそれぞれ異なるため、大人の学習方法を子どもに真似させても思うような成果は上がりません。

そこで、幼児期の段階では「聞く」「話す」の2分野を中心に能力を伸ばすトレーニングをしておくことをおすすめします。そうすることで、早口の英語でも自然に聞き取り、英語をナチュラルに発音する能力が身に付きやすくなります。反対に、幼い子どもが不得意としている「読む」「書く」の学習を無理やり押し付けると、効率が悪いばかりではなく英語嫌いになってしまうおそれがあるので注意が必要です。

5-2.英語漬けの環境を用意する

子どもは人が話しているのを真似て言葉を覚えていきます。それは日本語も英語も同じです。つまり、幼児期の英語教育では、英語漬けの環境を用意してあげることが重要だということになります。具体的には、子どもになるべく多くの英語を聞かせ、英語でコミュニケーションをとっていけばよいわけです。そうすれば、子どもは自然と言葉を覚え、英語力の成長にもつながっていくはずです。また、ネイティブやバイリンガルの講師の元で英語のみでコミュニケーションをとる環境を用意できたなら、その効果は絶大です。ちなみに、こうした教育方法のことを、浸している、没頭している状態という意味から「イマージョン(immersion)教育」といいます。

5-3.英語のプロの講師から学ぶ

家庭での教育だけで子どもをバイリンガルに育てるのは不可能ではありませんが、そのためには、親がネイティブな英語を話せることが前提条件になります。したがって、普通の家庭ではかなり難易度が高いといえます。そこで、確実に教育効果を上げたいのであれば、やはり、英語のプロであるネイティブやバイリンガルの講師から学ぶのが賢明でしょう。問題はいかにして良い講師をみつけるかですが、おすすめはプリスクールの無料体験などに参加してみることです。そして、実際に講師と子どもが交流する様子などを見て判断すれば、よい講師と巡り合える可能性も高くなるはずです。

6.子どもの英語教育におすすめのKids Duo(キッズデュオ)

Kids Duo(キッズデュオ)は、幼児と小学生を対象にし、英語の教育(習得)を目的とした新しい形の学童保育・プリスクールです。その特徴は、なんといっても英語の授業をしない点にあります。授業という形ではなく、ネイティブやバイリンガルの講師と子どもたちの英語でのコミュニケーションが教育の中心となります。つまり、系統立てた知識を教えなくても、英語が飛び交う空間にどっぷりと浸ってもらうことで、生きた英語が習得できるというわけです。また、英語力の育成に留まらず、子どもの「第2の家」をコンセプトとし、さまざまな異文化体験を通じて子どもの国際性や協調性、あるいは思いやりの心などを育ててくれるのもKids Duoならではの特徴だといえます。

子どもの英語教育は早めに始めよう

グローバル化が進む社会の中で、今後は子どもの英語力が一層重要になってきます。英語力の有無が将来の可能性を大きく左右するといっても過言ではないほどです。少なくとも、将来的に子どもにグローバル社会で活躍してもらいたいと思っているのであれば、英語力は必要不可欠です。そこで、それを身につける足掛かりとして、まずはKids Duo(キッズデュオ)の無料体験に申し込んでみてはいかがでしょうか。

執筆者:英語で預かる学童保育Kids Duo
コラム編集部