【どう変わった?2020年からの英語教育って?】教育改革の内容や対策等をご紹介!

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学習指導要領の改革によって、英語教育は大きく変わっていくことになります。教育現場にどのような変化がもたらされるのか、不安を感じている人も多いのではないでしょうか。この記事では、英語教育改革の概要や実施スケジュールを踏まえたうえで、それによってもたらされる具体的な変化や早めに英語習得を始めることの重要性などについて解説します。

1.2020年の英語教育改革について

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まずは2020年から始まる英語教育改革の概要とその背景、実施スケジュールについて順にみていきましょう。

1-1.概要

グローバリズムなどの社会情勢の変化に対応するため、日本では戦後最大規模ともいわれる教育改革が行われています。教育改革の軸となっているのが、大学入試改革と小学校・中学校・高校の学習指導要領の改訂、そして英語教育改革の3点です。特に、英語教育改革は社会がグローバル化していくなかで日本がどのように発展していくかに関わる重要な要因であるため、大きな関心が寄せられています。

学習指導要領とは、小学校・中学校・高校の課程における教育内容を大まかに定めたもののことであり、各学校は学習指導要領に従ってカリキュラムを構成します。従来は小学校高学年からだった英語教育が、新学習指導要領では小学校中学年から開始されると定められているのも注目したいポイントでしょう。より多くの時間を英語教育に割くことで、「聞く」「読む」「書く」「話す」という4技能を強化して英語を実践的に使う力を伸ばす目的があるのです。

1-2.背景

急速にグローバル化が進行する社会において、国民ひとりひとりの英語力を伸ばし異文化理解や異文化コミュニケーションを図ることは、日本の将来にとって極めて重要だといえるでしょう。もちろん、英語さえ話せればよいということではありません。日本の歴史や文化など基本的な教養とあわせて英語力を習得することで、日本に関する独自の情報を海外へ向けて効果的に発信していけるようになるのです。2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催され、海外からも多くの人が日本を訪れるでしょう。

現在学校で学んでいる子どもたちが社会に出て活躍するであろう2050年頃には、さらに国際的な環境が普遍化していることが予想されます。国民ひとりひとりが社会的・職業的な場面で外国語によるコミュニケーションを行うことの重要性は、どんどん増していくことになるのです。このような社会情勢の変化を背景として、これからの社会を担っていく子どもたちに必要なスキルを身につけてもらうことを目的に、文部科学省は英語教育改革を行うとしています。

1-3.実施スケジュール

新学習指導要領に基づく英語教育改革は、教育の段階に応じて順次実施されていくことになります。2018年度から、一部の小学校と中学校で新学習指導要領が先行実施されました。全面的に実施するか部分的に実施するかの判断は、各自治体や学校が行っています。文部科学省の調査によると、2018年5月の時点で全体の3割程度の小学校がすでに新学習指導要領を全面実施しているとのことです。2019年度から一部の高校で新学習指導要領が先行実施され、2020年度からすべての小学校で新学習指導要領の実施が開始されます。2021年度からすべての中学校で新学習指導要領の実施が開始され、2022年度からすべての高校で新学習指導要領が年次進行で実施されます。どの高校でも、2022年度の新入生からは英語の授業が新課程に移行するのです。2024年度の大学入試から、新学習指導要領を反映した試験内容になるとされています。

2.英語教育改革が授業内容にもたらす具体的な変化

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英語教育改革によってもたらされる変化は、小学校中学年・小学校高学年・中学校・高校といった段階によって異なります。それぞれどのように変化するのか、みていきましょう。

2-1.小学校中学年

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従来は小学校5年生から行われていた外国語活動の授業が、2年早まって小学校3年生から始まるようになります。外国語活動の時間数は年間35単位時間、すなわち週に1コマ程度の頻度で授業が行われることになります。外国語活動は国語や算数などとは違い教科という扱いではないため、成績が評価されることはありません。外国語活動の目的は英語に親しむことであり、早い段階から英語に慣れることで外国語や海外の文化への関心を高める効果を狙っています。「聞く」と「話す」の2技能をメインとした授業で、「話す」に関してはさらに「やり取り」と「発表」の2つに分類されており、合計3領域を学ぶ授業となっています。他の授業と同じように、学級担任が英語を教える予定です。

文部科学省から発表されている具体的な授業イメージ案をみていきましょう。小学校3年生では、挨拶の仕方を学んで表情やジェスチャーをつけて挨拶してみることや、数の数え方を学んで数をたずねてみることなどが組み込まれています。好きな色や好きなスポーツなどを含めた自己紹介や、身の回りのものの説明をすることなども含まれています。小学校4年生では、曜日や時刻、天気の言い方やたずね方などのほかにも、絵本のような短い話を聞いて内容を理解することまで含まれるのです。学習のきっかけとしては、英語の歌を歌ったり身近なものを使ったクイズをしたりして、楽しく英語に親しんでいけるような授業が想定されています。

2-2.小学校高学年

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小学校5年生からは、教科としての英語の授業が始まるようになります。教科として行われるため成績がつけられますし、学級担任だけではなく専任教員もついて教えるようになります。時間数は年間70単位時間、すなわち週に2コマ程度の頻度の授業です。コミュニケーションスキルの基礎を養うことが授業の目的であり、小学校3・4年生で学んできた3領域に「読む」「書く」という2領域が段階的に加わって学習範囲が広くなります。授業は検定教科書に基づいて進められ、中学校の授業へとスムーズにつながるようなカリキュラムが組まれます。検定教科書とは、文部科学省の検定に合格した教科書のことです。

文部科学省から発表されている授業イメージ案をみていきましょう。小学校5年生では、内容のまとまりのある話を聞いて、理解したうえで質問したり書き写したりすることが組み込まれています。小学校6年生では、日本文化や自分が住んでいる地域のよさについて言葉で伝えたり(文章で伝えたりすること)や、将来の夢について発表することなどが含まれます。小学校高学年の教育を通じて、600語から700語程度の語彙習得が目標です。文法としては、疑問詞や動詞の過去形など基本的な表現を学習することになりますが、これは従来の中学1年生の学習内容を多く含んでいます。

2-3.中学校

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中学校の英語の授業では、従来よりも「聞く」「話す」という2技能が重視されるようになります。授業は、基本的にすべて英語で行うという方針が立てられました。これは、教師から生徒への説明だけではなく、生徒から教師への質問や生徒間のやり取りなど、授業中のあらゆるコミュニケーションが英語で行われることを意味しています。授業をすべて英語で行う目的の1つ目は、コミュニケーションツールとして英語を実際に使う場面を増やすことです。これまでは、学校の授業で英語を習ってもなかなか使う機会がなく、使わないうちに忘れてしまうといったことが起きていました。習った英語を使う機会を設けることで、知識の定着を図ることができます。また、英語の読み書きができても、実際に話すのは恥ずかしいと感じている人も多かったことでしょう。授業中に英語でコミュニケーションをとることによって、英語を話すことへの抵抗感をなくすことも期待できます。

2つ目は、生徒が英語に触れる機会を充実させることで、より高度な英語をスムーズに習得できるようにしていくことです。中学校での目標習得語彙数は従来1200語でしたが、1600語から1800語を目指すようになります。文法としては、原形不定詞や仮定法など従来は高校の学習範囲であった内容も中学で学ぶようになります。小学校や中学校で習う英語の範囲が変わったことにより、高校入試での出題傾向も変わることが予想されるでしょう。東京都では、2021年度より都立高校の入試にスピーキングテストを導入すると発表しています。まだ地域や学校ごとに対応が異なりますが、今後大きく変わっていくことが予想されるため注目したいところです。

2-4.高校

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高校の英語の授業では、中学校と同様に授業中のコミュニケーションがすべて英語で行われるようになります。このほかにも、言語活動をより高度にするための授業が行われます。英語によるプレゼンテーションでは、自分の考えを論理立てて相手に伝わるよう説明する力が求められるでしょう。ディスカッションやディベートなどでは、自分から積極的に意見を発信していく姿勢が求められます。

従来の大学入試では「読む」「書く」の2技能が重視されていましたが、教育改革以降は「聞く」「話す」を加えた4技能がバランスよく身についているかどうかを試されるようになるでしょう。「書く」にしても「話す」にしても、自分の考えをまとめてアウトプットする力が求められます。インプットに偏りがちだった学校教育がアウトプットを重視するようになることによって、入試もアウトプットを重視する傾向がみられるようになるかもしれません。

3.各教育課程において求められる英語力

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小学校中学年の段階では、英語によるコミュニケーション能力の下地を養うことが求められます。小学校高学年の段階では、4技能における初歩的な英語の運用能力を養うことが求められるでしょう。中学校を修了する段階では、身近な話題について理解しコミュニケーションをとれるレベルの英語力が求められます。これは、CEFRではA1からA2程度に相当し、英検®では3級から準2級程度の英語力に相当します。

CEFRとは、外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ言語共通参照枠のことです。A1からC2の6等級で外国語運用能力が示されるものであり、A1とA2レベルは基礎段階の言語使用者、B1とB2レベルは自立した言語使用者、C1とC2レベルは熟達した言語使用者であるとされています。高校修了の段階では、英語の情報を的確に理解し、自分の考えを適切に伝えられるレベルの英語力が求められるでしょう。これは、CEFRではB1からB2程度に相当し、英検®では2級から準1級程度の英語力に相当します。

4.早めに英語習得を始めるべき理由

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小学校の高学年からは、読み書きが授業内容に含まれるようになります。中学校の段階で授業はすべて英語で行われるようになるため、英語が聞き取れないと授業内容が理解できません。わからないところを質問したくても、英語で質問しなければなりませんので、英語が話せないと質問ができないでしょう。早めに英語を身につけておかないと、初期の段階で授業についていけなくなってしまう恐れがあるのです。一般に日本人が英語を習得するためにかかる時間の目安は2000時間~3000時間といわれています。新学習指導要領が導入されて小学校中学年から英語を習うようになっても、学校の授業だけでは英語を習得するための目安時間には足りません。できるだけ早めに子どもを英語に触れさせておくことで、大学受験や就職活動のときまでにある程度英語が身についている可能性も高くなるでしょう。

5.Kids Duo(キッズデュオ)のメソッドとは

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学童保育であるKids Duo(キッズデュオ)のメソッド1つ目は、英語を勉強するのではなく英語が飛び交う環境に身を置くことです。英語が飛び交う環境で子どもを過ごさせることによって、自然な形で英語が身につくようにしています。小学校に通う前の幼児から子どもを預けることができますので、小学校を卒業するまでの長期間にわたって英語漬けの環境で過ごさせることができます。

2つ目は、多彩なプログラムをすべて英語で行うことです。知的好奇心を刺激する音楽や工作などのプログラムを通じて、新しい知識を得たり新しい発見をしたりすることができます。3つ目は、学年別に分けずに過ごすことです。社会のなかで自分らしく輝ける場所を創り出せる人に育ってほしいというモットーを持ち、さまざまな年齢の子どもを一緒に過ごさせます。これによって、英語力だけではなく社会性やコミュニケーション能力も培われるでしょう。

教育改革に向けて早めに英語教育を始めよう!

文部科学省の教育改革によって、学校における英語の授業のあり方は2020年以降大きく変わります。難しくなる英語の授業についていくためには、できるだけ小さいうちから英語に触れておくことが望ましいでしょう。グローバル化していく社会に適応するためにも、まずはKids Duo(キッズデュオ)の無料体験に申し込んでみてはいかがでしょうか。

執筆者:英語で預かる学童保育Kids Duo
コラム編集部